社会全体の持続的発展と環境負荷について、私たちはこう考えます。リノベーションは新築の対局としてではなく、すべての新築に必要な行為なのだと。New Normalなモデルルームで、暮らし方の新しいスタンダードを体感してください。
PROJECT DIARY
プロジェクト日記

2022.10.21 (Fri)

PROJECT DIARY Vol.7

はぴりの代表 山崎大亮さんにインタビュー

今回、リノベエステイトと共にワーケーションハウスプロジェクトに取り組む株式会社はぴりのは、福岡でリノベーション事業を展開する創業8年目の会社で、年間50件以上ものリノベーション工事を手掛けています。

デザインの部分に目が行きがちなリノベーションにおいて、「ムリなく、ムダなく、安心&安全な暮らしの実現」をモットーに、コストパフォーマンスに優れたリノベーション事業と不動産サービスを提供しています。

そんな同社の創業者であり、代表取締役を務める山崎大亮さんに、プロジェクトについて話を聞きました。

株式会社はぴりのは、これまでにも同業者であるタムタムデザインや、パナソニック、トクラスといった住設メーカーなどと、多様なコラボレーションをおこなってきた。

- 今回のプロジェクトでは、リノベーションのデザイン・監修をリノベエステイトさん、物件の買取再販と施工管理をはぴりのさんが担当されています。山崎さんがこのプロジェクトで目指しているのはどのようなことでしょうか?

山崎さん:私たちはリノベーションを主体とした会社ですが、隣接事業である「不動産の買取再販」というビジネスモデルにも新しい風を吹き込みたいと思っています。

いま買取再販のビジネスはすごく増えていて、東京では新築マンションよりも中古マンションの流通量が上回っていますし、福岡でもリノベ済み中古物件の流通量が著しく増えています。ただ残念なことに、物件に対するリスペクトが感じられないお部屋も多く、単に設備交換しただけの魅力のない再販物件も見受けられます。

古いモノでもリメイクによって価値が上がることがあります。例えば古いジュエリーも台座を変えて、今どきのデザインに変えることで価値は高まります。これは不動産も同じです。立地と管理がしっかりしている物件であれば、築古でも現在の暮らしに合わせた間取や設備に変更し、配管や配電、断熱などをしっかり改善することで、この先も長く安心して暮らせる物件へと生まれ変わります。

今回、福岡リノベ業界のトップランナーであるリノベエステイトさんと一緒に、この下長尾住宅という素材を活かしながら、「新しい時代のスタンダード」となる家をご提供したい、買取再販の進化した姿を世に問いたいと思ったんです。

具体的には、買取再販の新たな視点として「これまで住んでいた人の想いも引き継げる家にしたい」と考えています。産直市場の野菜に「〇〇さんが作りました」という名札が付いているように、この家にどんな人が住んでいたのか、どんな暮らしをしていたのか、そんな歴史も含めて新しいオーナーに引き渡すことが出来れば、物件への愛も深まり、心の満足度も高くなるはずです。お金だけでなく、気持ちをつなぐビジネスが出来れば、買取再販に新たな価値を付加できると思っています。

当プロジェクトの現場で打ち合わせをする、山崎さん(写真左)とリノベエステイトの松山さん(写真右)

- 今回「団地リノベ」という点も魅力のひとつだと思いますが、プロジェクトの舞台として下長尾住宅を選んだ理由は何ですか?

山崎さん:このお部屋の売主さんと以前からお付き合いがあったので、先ほど話した「売主の顔が見える再販」が実現できそうだったことが大きな理由です。

さらに、団地であれば皆さんの手に届きやすい価格設定ができることもメリットです。ハイグレードなリノベーションを得意とするリノベエステイトさんが、築48年の団地をリノベーションすることで、たくさんの人に魅力をお届けできると感じたんです。これは、リノベエステイトの松山さんも同意してくれました。

もちろん、下長尾住宅が持つ空間の広がりや、お部屋からの景色に大きな魅力を感じたことも理由です。

以前の居住者は、このベランダからの眺めが大好きだったという。「そんな想いも次の方へ伝えていきたいんです」(山崎さん)

- 今回なぜリノベーション会社同士でコラボをしようと考えたのでしょうか?

山崎さん:それは周りの人たちからもよく聞かれました。普段はライバルでもある会社同士がなぜ一緒にやるのか、皆さん不思議に思われるようですね。

そもそもはぴりのとリノベエステイトさんでは平均工事単価が異なるので、顧客層が違います。今回の私たちの取り組みを、幅広い層の方々に知ってもらうためには、異なるセグメントの顧客を持つ2社が一緒にやることに大きな意味があると考えました。

もちろん同業とはいえ、アイデンティティに違いはありますし、社内で懸念する声があったことも事実です。実際の工事においても、正直なところ意見の相違がゼロではありません。でもそのやり取りの中で、より良いものが生まれていくのが文化です。意見の相違こそが、協業の大きな魅力なんです。

この業界は規模の小さな会社が多く、どうしても視野が狭くなりがちです。だからこそリノベ業界のコラボレーションは、今後もっと増えていくべきだと私は思います。

デザイン力や技術力向上のためにも、また当社だけでなくこの業界全体の成長を目指す上でも、コラボレーションや提携などのゆるやかな協業が活発になるといいですね。

福岡市南区大楠にある株式会社はぴりののオフィス。創業8年目にして年間50件以上のリノベ工事をおこなうほどに成長した。

- 最後に 「暮らす、働く、考える」というテーマについてお話いただけますでしょうか。

山崎さん:私の中では、最後の「考える」こそが、皆さんに最も伝えたいキーワードです。

いま世界の中で、日本の成長が著しく劣っていると言われています。私たち日本人は働くことに真面目で、手を抜くことはありません。なのに、世界の成長からは取り残されている。その要因のひとつが、自分の考えをきちんと持たなかったからではないかと思うんです。

社会のあり方、家族のあり方。そして、マイホームのあり方。何が正しいか、正しくないかではなく、まずは自分で考えて、意見を持つことが大切なんです。なんとなく「みんなと一緒」の選択をするのではなく、私たち一人ひとりがもっともっと「考える」ことで、社会はより良い方向へと進んでいくはずです。

今回のプロジェクトを通して、家のこと、暮らしのこと、サスティナブルな社会の実現など、みんなが「考える」ひとつのきっかけになればいいなと思っています。

記事を書いている人

福岡市在住のフリーランスWEBデザイナー。
自らも築40年の中古マンションを購入してリノベーションした経験あり。

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リノベエステイト
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